趣深山ブログ よもやま編

趣深山です。四国 剣山 三嶺 天狗塚 周辺の山域での山歩きについての話題です。 (C)since2002 趣深山 (shumiyama@gmail.com)

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敗退

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敗退

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●「白い城砦」 芳野満彦著

「 私の山歴を見ると、成功の記録よりも、むしろ敗退の記録の方が多いかもしれない・・・・・・そんな敗退のみじめな記録の中でも、この時の山行はさんざんだった・・・・・・午後になれば吹雪もやみ、また登ることが出来るかもしれないと考えたのは甘かった・・・・・・ポータブルラジオの天気予報は、山間部の降雪を肯定していた・・・・・・二人で相談して、この地点に重い登攀用具をデポして、再度来月にでもアタックしようと決め、午後二時下降を開始、取り付き点の岩稜ブッシュ地帯に降り立った。
でも登ってくるときと同様、中央稜のテール・リッジを経てのトラバースは極めて危険な状態だ。やむなく、またまた取付点に腰をすえてビバークをした。 」

     「白い城砦」 芳野満彦著 あかね書房 1970年7月15日第一刷





● 敗退の記録

実は このWEBサイトに出ている 山行記録の 他にも 多くの敗退の 記録があります。
天候 積雪状況 体調など 予定外の状況に 追い込まれやむなく 断念して 下山するのは よくあります。
何事も 思うがままに うまくいく ときばかりではないのは 人の世では よくあることなのですが、実際 山の中でも 思いがけないことは よくあることなのです。



● 思い通りに行かないのが登山

分厚い山行計画書を 作ったところで その計画書通りに すべてが うまく運び 何事もなく山頂に辿り着いて 平穏無事に無事下山。すべてが 予定の 目論見通りで すべてうまくいった という 山行は 本当に希です。

また 万が一にも そのような山行ができたとしても、 味気ない 無味乾燥の 全く印象のない 山の記憶が残るだけです。

大抵の場合 色々な 支障となる事項が出てきて 思っていたこととは 違う状況 に数多く 出くわすものです。

それを 何とか やり繰りしながら 計画がうまく運ぶように 軌道修正したり 計画を手直し しながらやりくりし 時には 悪戦苦闘して 何とか 山に登って 無事下山というケースが遙かに多いと思います。




● 印象の薄い 順風満帆 の登山

過去 振り返って 印象の 残る 山登りは その過程で 全力を出しきった 苦労して登った時ほど 記憶が鮮明に焼き付いています。

道に 迷う、 雪が 多くて ラッセルに苦労する、風雪に 叩かれ ホワイトアウトで苦労したとかの 難題に出会って なんとか やり繰りすることのほうが 何事もうまくいってしまう順風満帆の山登りに比べ 遙かに 山が面白かったという 強烈な 印象を 記憶に焼き付けてくれます。

天候は 快晴無風で 先行者のトレースがバッチリ、すべてが あまりに うまくいくような山行は 却って 味気なく 「なんだこんなものかと」という山を軽く見る 結果につながることにつながりうるし つまらぬ印象の薄い 山行になるのです。

以前登ったとき 天候などの諸条件が恵まれすぎて 意外に間単に登れた。
 ところが 次に来たとき 積雪条件が悪く 天候も悪く 難渋した ということがよくありますが、 印象としては 苦労して 山頂に立ったときの方が 感動が大きいのです。

間単に登ってしまって 山を 甘く見下してしまう 気持ちが出来てしまい 後で苦労することになるのです。

謙虚さを 失わせるような 順風満帆の 山登りよりかは、 難行苦行の 山登り が ずうっと 面白いのです。

苦労して やっと 登ってこそ 山登りなのです。
 



● 何とかやり繰りすすことなのだが
 
はじめから 敗退覚悟で ということも あるでしょうが とりあへず なんとか 自分なりに 納得できる線まで 頑張って 全力を 尽くして やり繰り してみることです。 それでも 駄目なときは やはり 敗退の決断 しかありませんが、その時でも ああ 面白かった 十分 味わうことが出来た 良くできたと 感謝の気持ちで それなりに満足することが大事です。




● 敗退 撤退の決断が出来ることが大事

天候 積雪状況 体調 ルートの具合 すべて 想定された範囲内なら良いのですが そうでないケースが出てきたら やはり 適切な判断が求められます。

予定より 時間がっかったていどで 済んで良いのですが 無理して 更に 進んでも もう 時間内には 届かぬと言うことにでもなれば 撤退 ということになります。

すべて想定されている 範疇だというのは 応用問題すらを解くことも出来ない 登山者になりかねません。

自然は 時折 人間の想定を 越えた 面を 現せます。応用問題くらいの対応ではとてもすべてできるはずもない、人知を越えた 新たな 難題を ぶつけてくれます。

だから そんなときは全力をつくしても 駄目だと 悟る ことが大事です。 

そんなときにでも 絶対 計画通りだと 意地を張って も うまくいきません。 一番 大切なのは その時の状況を 的確に判断し 行動する 臨機応変の行動の方が 大事です。無理せず 素直に 敗退の選択 を選ぶことです。

敗退 撤退 中途頓挫 悔し紛れに 試登 ルート偵察 などと名付けても良いのですが、要は予定の所まで行かなかったケース 計画通りにならなかったケースなど 実際 いくらも出て きます。


撤退の 言い訳として 時間切れ ホワイトアウト 積雪条件など 何とでも理屈を付けても良いんですが、敗退という 決断は 自分でなさることが大事です。




●「アイス・ワールド」  ジェフ・ロウ

「観測計器や合理的な観察がどういう結果を示そうと、胸の奥の不安を打ち消すことができないなら、行動を続けるべきではない。

ときにはそういった感覚の解釈を誤り、敗退を悔やんでしまうこともある。しかし、やがて、根拠のない懸念を切り離して、あらゆる角度から自己の第六感に迫りくるデータを、純粋な無意識下で、かつコンピューターのように蓄積しながら、正当に評価できるような日が訪れるのだ。」

  「アイス・ワールド」  ジェフ・ロウ著 手塚 勲訳 1998年2月25日 山と溪谷社




● 敗退 --- 次につながる 貴重な経験。これを 活かすことが出来るかどうか。

要は 敗退を 貴重な経験として 次の機会に なんらかの形で 活かすことが出来るかでしょう。

悔しさをバネに ファイトが湧けばそれでよし。
リベンジ などとすぐ 焦ることもないのですが また 再挑戦させてくれるよう わざわざ敗退させてくれたという 感謝の気持ちをもつことが 大切です。

山に 貴重なことを 教わったと 感謝の気持ちがもてること になればそれでよし。
2度あることは3度ある 貴重な敗退経験を 更に繰り返しすことになっても 更に 蓄積すれば 更によし。 
気長い気持ちで 焦ることなく 山に取り組んでいけば 良いのではないでしょうか。




●「連戦連敗」 安藤忠雄著  

「数え切れないほどの”敗退”(まけ)を体験してきた。コンペ(設計競技)に挑戦しては落選を繰り返している。
まさに連戦連敗、さすがに懲りて もう終わりにしようかとも思うのだが、誘いがかかるとついまた挑戦してみたくなる。
次の闘いへと意識は飛躍してしまう。今も連敗記録を更新中である。

どれだけ 力を尽くしたところで、大抵の場合は報われない。だが、挑戦は決して無駄ではなかったと思っている。

建築に関わるさまざまな事象に思いをめぐらせ、その可能性をただひたすらに追い求める。コンペは自らの思う建築、すなわち自分自身を発見し、追求する絶好の機会だ。創造という行為があるとするならば、この思考の蓄積こそが、唯一それを可能にする手だてととなるのではないか。モノをつくる、新たな価値を構築するという行為の大前提が、この闘い、挑戦し続ける精神にあるように思う。」  

   安藤忠雄著    2001年9月1日 初版 東京大学出版会




2004年4月8日 第1版制作
2006年3月20日更新
[ 2004/04/08 23:31 ] 山の危険 | TB(-) | CM(-)


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